CuGoV3 導入事例【ブドウ収穫ロボット TANG】

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今回はご実家の農家の現場作業を楽にしたい、という思いでプライベートでの開発に取り組む2人の若手エンジニアのご紹介です。

CuGoを用いて、当事者としての視点と技術力で現場の課題解決に挑むお二人の共同開発のお話を伺いました。

 

まずはお二人の簡単なプロフィールを教えてください。

 

手塚:手塚です。現在社会人2年目で、自動車メーカーで生産技術の仕事をしています。

 

実家が山梨で果樹農園を営んでおり、桃とブドウを育てています。

小さい頃から家族の仕事を近くで見ており、つらい作業や重労働を解決できる方法はないかと考えていました。今回のロボットの開発ではハード設計を担当しています。

 

 

橋本:橋本です。ソフトウェア部分の担当です。

現在はロボットベンチャーでソフトウェアエンジニアの仕事をしています。

 

大学時代からロボット分野を専攻しており、学生時代から個人的な活動として農業分野で開発を続けています。

 

 

3年くらい前にトマトの収穫ロボットを作るコンテストがあったのですが、その開発の一環として、実際の現場作業はどうなっているのだろう、と現場の状況を見に行ったのが農業との初めての出会いでした。

 

農業の現場ではロボットの導入というものがほとんどなく、全てが手作業です。

普段研究や趣味の開発でロボットばかり見てきたこともあり、大きなギャップを感じました。

 

常態化している現場の重労働の課題を解決するために、ロボットを使ってお役に立てることが何かあるはずだと強く感じたことが、現在の取り組みを始めるきっかけでした。

 

CuGo V3を知ったきっかけはどんなものでしたか?

 

橋本:僕はCuGoの初期からのユーザーです。

CuboRexのイベントに参加したことがきっかけでお付き合いが始まったのですが

CuGo V1やV3を提供していただいたり、CuboRexオフィスに泊まらせてもらったりと

先代の代表時代から色々と交流させてもらっています。

 

 

手塚:わたしはロボットの足回りに関して情報収集する中で、ネットで見つけたのがきっかけでした。

不整地に強く、ユーザが自由にカスタマイズ出来る電動クローラー!!

このクローラーでモノづくりがしたいと思いました。

 

CuGoについてもっと色々聞いてみたかったのですが、いきなり会社に問い合わせるのも勇気がいることだったので、カジュアル面談のプラットフォームからコンタクトを取りました。2021年の冬ごろだったかな。

 

そこからオフィスに遊びに行かせてもらったり、イベントに参加したりしながら製品のファンとして仲良くさせてもらってます。

 

おふたりが一緒に開発を始めるきっかけはなんだったのですか?

 

手塚:2022年のCuboRexのmeetupがきっかけです。(meetupの記事リンク)

 

meetupに行ったのは、CuGo の事例を見るつもりだったのと、モノづくり仲間が出来れば、、位の感覚でした。

meetupで話した際に橋本さんの取り組みを知って、私が作りたいと想ってたモノと同じだったことと、モノづくりへの思いが一致してることから、一緒に開発がスタートしました。

 

 

橋本さんと会う前は頭の中で構想を練るくらいにとどまっていましたが、

色々お話する中で、アドバイスをいただきながら一緒に活動することによって今回構想が形になりました。

 

橋本:僕はずっと1人で開発していたこともあり、いっしょにできるメンバーが欲しいなと思っていたところでした。

手塚さんはご家族が農業をされていたこともあって、近くで見ている分大変な部分やご苦労や課題をよくわかっている。現場の実情をよく理解していて、ご自身の技術を使って解決したいという想いがすごく伝わりました。

 

ぼくとしてもぜひ一緒に開発したいと思い、今回の共同開発が実現しました。

 

 

今回CuGo V3 を導入した製品についての詳細を教えてください。

 

橋本:ブドウ収穫をサポートするロボットです。

 

通常、収穫作業はカゴにべルトをつけて、肩からかけて収穫物を入れていきます。

ブドウの苗は高さが低く、頭がぶつかってしまうので、重たいものを持ちながら腰を曲げる体制が長時間続く、大変体に負荷がかかる作業なのです。

 

 

このロボットがあれば、収穫物が自動的についてきてくれる。

自分で収穫したブドウを持ったまま腰をかがめて移動しなくてすむので格段に楽になります。

 

ロボットに取り付けられたデプスカメラを使って人を認識して、人が何処にいるかを常に認識してそれをロボットが追従する仕組みになっています。

 

 

人を検知して勝手についてきてくれるので、収穫作業中に余計な操作も要りません。

 

製品を導入したことで解決できた課題、感じたメリットなど

 

手塚:やはり走破性が大変高く、畑で使用しても土が入り込んで止まったりしないのが一番のメリットです。

 

設計面で言うとアルミフレームで組み付けられる自由度の高い設計の仕様が凄くいいです。モノづくりの幅が一気に広がる。というかこれまでクローラーにアルミフレームをつける発想はCuGo が出てくるまでなかったと思います。

 

足回りとしてのクローラーは左右も固定されていて汎用性がそこまで高くないものが多い中、この柔軟性は唯一無二なのではと思います。

 

そしてこのコンパクトさで耐荷重80kgという点。 

畑道は狭い道が多く、CuGoは狭い道でも走れるのでそこも大きなメリットだと感じています。

 

 

実際にフィールドで実証実験をしてみていかがでしたか?

 

手塚:今回収穫ロボットを使ってくれたうちの父は、仕事柄、ドローンなど様々な農機具のフィールドテストする機会があります。

その関係で父は新しい機械や技術をよく見ているのですが、いくら技術が優れていても実用性を考えると、活用は難しいものが多いと聞いていました。

 

そんな父が今回のロボットを見て、これはあると便利だ、と感想を伝えてくれたので

そこは本当に嬉しかったですね。細かいフィードバックはあったものの、今後に活かしていきたいと思っています。

 

 

小さな頃から家族の仕事を見ていて、農業のつらさや、父も含めて多くの現場の方が今やっている作業が段々とできなくなってくるということはよくわかっているつもりです。

 

ドローンや自動化のシステムなど、いわゆるかっこいい、世の中を便利にするモノづくりはたくさんあります。しかし、複雑な作業はまだ人が行うのが現実です。

そんな中でわたしは現場で本当に困っている人を助けるものをつくりたいという気持ちで今の活動を続けています。

 

実際に使う中で感じたデメリットと、今後改善を期待する点はありますか?

 

手塚:やはり防水性能が向上するとありがたいです。後継機は性能も向上していると思うのですが、やはり個人の開発ですとコスト的に手が出しづらく…価格帯としてもV3はとても使いやすいので、丸洗いできたりするとさらに利用の幅が広がるなと感じています。

 

今後の開発の展望をお聞かせください。

 

手塚:追従性ロボットの改良を進めながら、座りながら作業できる収穫ロボットをつくりたいですね。

なかなか忙しく手がつけられていないのですが、、、、(笑)

 

橋本:ブドウなどの果樹は特に衝撃に弱いので、さらに改良を重ねて滑らかな動きで追従する様にしていきたいですね。

 

 

僕たちの作ったもので現場の作業の辛さが改善されて、喜んでもらえるのが今の一番のゴールだと思っています。今後も農家の負担軽減のために、ふたりで開発を続けていきます。

 

 

橋本さん、手塚さん、ありがとうございました!

CuboRexは今後もお2人の研究開発に貢献してまいります。